【雑記】寒空の昼下がり、俺はインド人にされた
就職で上京(埼玉なので上玉と言うべきか)してから1年半経つが、最寄駅周辺の飲食店は開拓できていないお店が多い。オタクなのでラーメンはほぼ制覇したが、それ以外のお店はあまり知らなかった。
休日のお昼。ゲーセンで数クレ分音ゲをやったら腹が空いてしまった。最近急に冷え込んできやがったので、いつもならラーメン屋に飛び込んでいるところを私はインド料理屋に行くことにした。先月の健康診断で芳しくない結果が出たため、1人ではラーメン屋に行かないようにしている。
まっすぐな道の右側にインド料理屋がある。右に曲がって階段を上がり扉を開けるとそこは超絶ハイパースパイシーな香りが漂う、インドそのものだった。
───イラッシャイマセー。何名サマデスカ?
顔の濃ゆいインドの兄貴がお出迎え。私は人差し指を1本だけ立てて、おひとり様であることを伝えると、兄貴はちょっと困った顔をした後に4人席のテーブルに通してくれた。1人用の席はないらしい。
ランチメニューを眺め、バターチキンカレー・ナン・サラダのセットを注文。カレーの辛さは5段階あり、甘口は“辛いのが苦手な方向け”、小辛は“辛いのは得意じゃないけど本場の足を体感したい方へ”、中辛は“一般的なジャパニーズカレーの辛さ”……という具合に、それぞれに辛さの度合いを示す文言が書かれていた。辛いのが得意ではない私は下から2番目の小辛を選択。
───300円デオ好ミノナンニデキマスヨ?
あ、大丈夫です。
───200円デドリンク付ケマスカ?
あ、大丈夫です。
追加コンテンツはNoで。てかバリ押してくるやん。インドの男性は押しが強い人が多いのだろうか。
周りをグルっと見回すと、テレビの中で大量のインド人が歌いながらひたすら踊っていた。いわゆるB級インド映画。この時代はスマートフォンという物があるので大丈夫だが、一昔前ならこの映像を見続ける羽目になるため、気が狂っていたことだろう。
と考えていたら、カレーのセットはすぐに着弾した。
いやナン、デカくね??????
顔の2倍はあるぐらいのそれはそれはデカく、油で表面が艶やかなナン。もう籠に収まりきってないナンは、テーブルにしっかり足を付けていた。人によってはクレームが飛びそうだが、心がインド洋より広いので許すことにした。
熱いナンを手でちぎって、カレーに付けて実食。美味い。けどめちゃくちゃ辛い。小辛を頼んだはずなのに、ジャワカレーの辛口ぐらいの辛さしてる。じゃあその上の中辛はもっとヤバいだろって話になる。何が“一般的なジャパニーズカレーの辛さ”だよ、ベロ死んでんのか。間もなく汗が大量に吹き出す。インド人が感じる辛さは我々の遥か上を行っているに違いない。
食べ終えて汗を拭きながら会計を済ませる。ドアを引いて外に出ると、私は日本に帰国した。次は甘口にしてマンゴーラッシーも頼んでやろうかな。